【書評】かすり傷も痛かった 箕輪厚介
前著「死ぬこと以外かすり傷」の内容を全て収録して、反省も踏まえて同じ文量で「かすり傷も痛かった」として掲載しています。
「死ぬこと以外かすり傷」は人生論、「かすり傷も痛かった」はビジネス論の観点で書かれています。
「死ぬこと以外かすり傷」を読んでいない方も楽しめます。
著者は編集者の箕輪厚介さん。
箕輪さんは実業家の堀江貴文さん、研究者の落合陽一さん、会社を経営している佐藤航陽さん・前田裕二さん、元実業家の与沢翼さん、格闘家の青木真也さんなど話題の人の本を手掛けています。
本を出したい人では無く、忙しくて本を書く時間が無い人に依頼をして本を出す様にしています。
月額制のオンラインサロンで1300人を集めて様々な事業を行っています。
目次
書籍データ
タイトル かすり傷も痛かった
著者 箕輪厚介
出版社 幻冬舎
この本をおすすめする人
- 人生が上手くいき過ぎている
- 調子に乗っているので反省をしたい
- 新しいムーブメントを起こしたい
要点
編集者になって変わった
出版社の営業をやっていた頃は、打合せと言って外で時間を潰し、定時後に毎晩飲みに行くクズな人間だった。
編集者になってからはガラリと変わり、仕事に打ち込む様になった。
ストーリーを作る
編集者は商品を売る為のストーリーを作るのが得意。
スペイン旅行
旅を題材にした小説「深夜特急」に憧れ、高校時代イタリアとスペインの旅をする。
マドリード滞在中、列車爆発テロが起こるが幸い無事だった。
そのまま何も無く「深夜特急」っぽく無いと思っていたら帰国日、イタリアのミラノ空港で事件が起こる。
あろう事かパスポートを紛失してしまう。
当時はスマホやGoogleがない時代。
帰りの飛行機に乗れず、日本人の空港職員を探して事情を説明する。
日本領事館に行けば、帰国の為の渡航書を発行できることを知る。
空港が安全だと教えられ、空港で日本人観光客に事情を説明し小銭を貰い、マックでビックマックを食べ、領事館に移動し渡航書を発行してもらい無事帰国できる。
インド旅行
インド旅行中に見知らぬ男に監禁されてしまう。
コーラを飲めと言われたが旅行本の「地球の歩き方」に知らない人の飲み物には、睡眠薬が入っているとあったので、絶対に飲まなかった。
数時間監禁されたが、隙を見て男を押し倒して逃げ出した。
後で考えたらやせ型の貧弱な男だったので、すぐに逃げ出せたが恐怖のあまり体が動かなかった。
死ぬかもしれない体験をしたが、体験を周りに伝えたい思いが強く沸き、当時流行っていたSNSの mixiに一刻も早く書きたかった。
与沢翼の本
与沢翼に3000万出させ「ネオヒルズジャパン」と言う本を出そうとするが、誰も編集をやりたがらない。
仕方なく箕輪さんが編集をやることに。
有名写真家のレスリー・キーに写真撮ってもらえることになったが突然、所属事務所からレスリーに撮らせないと断られる。
レスリーが撮らないと出版は出来ないので、何とか説得して撮ってもらえる様になった。
いざ出版と言う時に与沢翼が暴行事件で逮捕される。
編集長にはダメ元でプロモーションだとはったりをかませて、何かと出版される。
見城徹との出会い
双葉社にいた頃、幻冬舎の見城徹さんの本を出版するにあたり、見城さんから「搬入が遅すぎる、幻冬舎の流通を使え」と言われる。
関係者から搬入の短縮は無理だと断られるが、見城さんに「無理は通す為にある」と言われ、これは見城さんの元で働くしか無いと思い幻冬舎に転職をする。
プライベートでもずっと見城さんのことを考えているので妻から「見城さん」と結婚しろと言われる。
子供がテレビに出てくるコワモテの男をみる「見城さん」と言うほどになった。
言ってはいけないことは言わない
新人研修の内容が想像と違い無駄だと感じたので、率直な意見をレポートに書いたところ、上層部から物凄い剣幕で怒られる。
ホリエモンと服装
沖縄の講演会でド派手なアロハを着て行けば、堀江貴文さんから何か突っ込まれると思っていたら、飲んでいた飲み物について聞かれてあ然とした。
晩さん会にドレスコードの指定があり、来賓に小泉進次郎さんなど来ることになっていたので、普段はラフ格好だがスーツにネクタイで行った。
2次会で堀江貴文さんにネクタイを引っ張られ「ダセー格好するな、俺はドレスコードがある時点で断った」と言われ、自分の芯を通すことを教えられる。
都内に引越し
編集者の仕事は著者から会いたいと言われたら、会いに行く必要がある。
郊外に住んでいたら、都内まで数時間かかるので仕事にならない。
埼玉の小手先市から月収3分の2の都内へ引越しをした。
月収+20万稼がないと数ヶ月で破産する計算。
自分は追い込まれたら力を発揮すると思った。
副業で記事を書いたり、編集者の養成講座で話をしたりして+20万を見事クリアした。
月額制オンラインサロン、プロデュース業で月額の20倍を稼ぐまでになった。
副業と言えるレベルを超えたので、見城さんには次に流行るオンラインサロンを先にやってみたと言う。
自分の値札に利益確定
テレビ出演など仕事が絶好調だった頃、サイバーエージェントの藤田社長から「箕輪君、利益確定した方が良い」と言われる。
利益確定は株式投資で高値だと思う所で売却して利益を得ること。
今の状態が天上だと知る。
アウェーの洗礼
年1回アウェーの環境に飛び込む。
「箕輪⭐︎狂介」と言う名の歌手で若者が少ない地域を巡る。
サッカーは全くの素人なのに、本田圭佑さんのサッカーチームの練習に参加する。
本業では無いことを経験することで、本業に戻った時に有り難みを感じる。
他人とは比べない
上には上がいるので、他人と比べ始めたらキリが無い。
価値が分からない残念な人
ひろゆきや成田悠輔などが出演する、日経テレ東大学という経済を分かりやすく解説するYouTubeチャンネルがあった。
チャンネル登録者は多かったが、出演者が気に入らなかったからか、突然テレビ東京の都合で終わってしまう。
価値があるチャンネルを潰してしまうテレビ東京の上層部は残念。
自由にやっていた有能な社員が辞める
本業以外で大きな成果を出した社員が辞める。
奴隷の幸福
独立すると常に何か新しいことやる必要があるが、常に何か新しいことをやるのは大変。
会社に所属し言われたことだけをやる奴隷も時には幸せ。
箕輪さんは、会社員としてみんなで何かを成し遂げることに達成感を感じる。
会社はお金では無く、ブランドを稼ぐ
会社では名前を売って、副業では売れた名前を使って稼ぐ。
休日に牛丼屋で、バイトをして時間を売る様なことはしない。
ブランドが地に落ちる
箕輪さんは、テレビ・雑誌の出演でイメージが上がり、企業案件の講演会などがあった。
しかし週刊文春のセクハラ疑惑でそれまでのイメージが下がり、企業から来ていた仕事が無くなる。
実践から学べ
サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手みたいになりたかったら、ボール拾いはせずボールを蹴り続けるしかない。
本の編集者になりたかったら、出版社のアルバイトではなくインフルエンサーの名言などをまとめインフルエンサーにDMで送った方が早い。
デザイナーになりたかったら、インフルエンサーのアイコンを作って送り、誰かが使ってくれれば名前が売れて仕事が来る。
落合陽一はファッション
研究者の落合陽一の本は難解な為、注釈や参考文献が無いと完全に理解出来ないが売れる。
もはや落合陽一はファッション。
期待をしない
期待をすると期待以下だった場合、落ち込むのでそもそも期待をしない。
物語を作る
洋服の場合、機能面はUNIQLOで十分。
価格と機能性で似た商品が溢れているので、商品の物語を作り差別化して売る。
インフルエンサーが強い
インフルエンサーに商品を紹介してもらったら売れるので、自分がインフルエンサーになったら最強だと気付く。
消費者は数ある商品から選ぶのが大変なので、インフルエンサーが勧めた物から買う。
風呂敷広げ人とたたみ人
例えば文化祭でやりたいことを自由に言う様に、やりたいことを自由に言う風呂敷広げ人。
他人のやりたいことを実現する、風呂敷たたみ人。
やりたいことを自由に言う、風呂敷広げ人が増えた一方で、大半が実現されずたたまれなくなった。
信者ビジネス
箕輪さんは月額制オンラインサロンで人を集めてお金を稼ぐので、宗教に例えられて信者ビジネスと言われる。
仕事の様に遊びをして、遊びの様に仕事をする。
スピード
箕輪さんの編集は以前まで、1文字と紙の厚さまでこだわっていたが、NewsPick bookを始めてからは時間が無く、とにかくスピード感を持ってやる様になった。
移動時間に決めることが多くなった。
時間をかければ、良い物が出来るとは限らない。
新人は量よりスピードを重視する、量だけこなすと品質が悪くなる。
量、量、量
ピカソの絵が素晴らしいのは多作だったから。
ホリエモン・秋元康は誰よりも量をこなしている。
スピードを意識し量こなす。圧倒的な量こなすとキャパが増える。
量が質に転化する。
やりますと答える
気になったことは何でもやりますと即答すると、やる事は増えるがやると言ったから、全部やる必要は無い。
続かないことは熱量が足りなかったと思って切り捨てる。
1点突破
何でも良いので1つのことで成果を上げる。
けん玉日本一、コンビニのおにぎり研究など。
変わることをやめない
人は変わることをやめた瞬間に腐る。
インフルエンサーうつ病問題
爆発的にヒットしタワーマンションに引っ越すが、消費のスピードは早く収入が思う様に入らずうつ病になる。
憑依レベルまで分析をする
一緒に仕事をしたい人を憑依レベルまで分析して想像すると、一緒に仕事が出来る確率が上がる。
ホリエモンは無駄が嫌いなので、無駄が無い提案をすると受け入れられる。
読みたい本を作る
箕輪さんは売れる本では無く、1冊も売れなくいいから自分の読みたい本を作る。
一番成長するのは編集者
1冊の本を出すまでに一番成長するのは編集者。
各方面で活躍する色んな方を取材するので、才能カクテルの飲み放題。
堀江貴文さんから著書にもなった「多動力」を1番発揮しているのは、箕輪さんと言われる。
色んな著者のエッセンスを吸収して、ドラゴンボールのセルの様に成長する。
セルは敵を吸収して強くなるキャラクター。
井川意高
大王製紙の前会長、会社のお金の約106億円をギャンブルのバカラで使ってしまった男。
井川さんの体験を描いた著書「溶ける」
出所後、海外のバカラに同行。
スイートに泊まるも部屋では寝ず、最終日に負け越した4000万を取り返す為、帰国日をずらすほどの猛者。
東大から刑務所へ
井川さんと堀江貴文さんは共に東京大学出身で、刑務所に入っているので「東大から刑務所へ」という本が出ている。
人は生きていると色々な垢が付くので、刑務所の獄中デトックスは良いと語っている。
クラブで飲むドンペリよりも、刑務所で作業後に飲む麦茶の方が美味い。
努力は夢中に勝てない
事務的にやっている人は、自ら意欲的にやっている人には勝てない。
脱競争
競争ばかりしていると、疲れるので競争をしない。
居心地が良いのは、挑戦をせず成長していない証
研究者の落合陽一、会社を経営している佐藤航陽・前田裕二は誰よりも努力している。
感想
著者の箕輪さんは、編集者ということで要点となる言葉に強烈なインパクトがあり、例え話が物凄く上手いです。
影響を受けることが大きいと思いますが、著者が編集者と知っていれば読みやすいです。
まとめ
箕輪さんの著書「かすり傷も痛かった」をまとめると下記の様になります。
- 言ってはいけないことは言わない
- 他人とは比べない
- 奴隷の幸福
- 会社はお金では無く、ブランドを稼ぐ
- 実践から学べ
- 期待をしない
- 物語を作る
- スピード
- 量、量、量
- 変わることをやめない
- 憑依レベルまで分析をする
- 努力は夢中に勝てない
- 居心地が良いのは、挑戦をせず成長していない証
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